富永病院の頭痛センターでは、頭痛専門医が頭痛の診断と治療を行っています。
頭痛は急性頭痛と慢性頭痛に大別されます。急性頭痛の原因には脳卒中や髄膜炎はじめ様々なものがあります。慢性頭痛は、片頭痛・群発頭痛・緊張型頭痛などがあり、日常生活に支障をきたす辛い頭痛を慢性的に繰り返すことが特徴です。特に数ヵ月以上にわたり月に15日以上頭痛がおこる慢性片頭痛や薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)、激しい頭痛に目の充血や流涙を伴う群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛などは特に専門的な治療が必要な頭痛です。頭痛センターでは、急性頭痛の適確な診断はもとより、慢性頭痛の最新の診断と治療を行っています。
富永病院の頭痛センターは関西における頭痛医療の拠点のひとつです。日本頭痛学会認定の地域頭痛教育センター・教育施設に指定されており、全国から頭痛患者さんが多く受診されています。また厚生労働省が指定する「集学的痛みセンター」として認定されています。当院頭痛センターは、成人ばかりでなく小児・思春期の頭痛性疾患にも対応し、頭痛医療の向上のための臨床研究や教育活動にも力をいれています。入院での頭痛治療にも対応しており、薬物治療のみならず看護師や公認臨床心理士を含めた多職種による集学的頭痛治療を積極的に推進しています。患者さんやご家族に対して、頭痛について正しく理解していただくために、頭痛に関する勉強会(頭痛教室)を年に数回実施しています。
生活に支障のある頭痛で、日常的な動作により頭痛がひどくなります。吐き気を伴うことが多く、周囲の音や光、臭いに過敏になります。左右どちらか片側が脈打つように痛むことも特徴ですが、約半数の片頭痛の方が両側性の頭痛,締め付けるような頭痛を経験しておられます。前兆にギザギザの光(閃輝暗点)や手足のしびれが出現するタイプもあります。
締め付けるような頭痛で、日常生活に大きな支障をきたさないタイプです。吐き気や嘔吐は伴いません。
片側の目の周りから側頭部にかけての激しい頭痛が群発します。発作時には目が充血し、涙が出ます。片頭痛は動けなくなる方が多いのですが、群発頭痛では痛みのあまりじっとしていられなくなることも特徴です。若い男性に多いのですが、最近は女性や中年以降の方の群発頭痛もふえています。群発頭痛に類似した発作性片側頭痛など三叉神経・自律神経頭痛についても診断や治療法が開発されています。
その他の新しい一次性頭痛として、一次性穿刺様頭痛、一次性咳嗽性頭痛、一次性労作性頭痛、性行為に伴う一次性頭痛、睡眠時頭痛、一次性雷鳴頭痛、持続性片側頭痛、新規発症持続性連日性頭痛などが解明されてきました。
様々な疾患に伴っておこる頭痛です。頭頸部の外傷、血管障害、非血管性頭蓋内疾患、感染症による頭痛など原因によって細分されます。その他、薬剤や食品、化学物質、ホメオスターシス障害、眼、耳、鼻の異常など多数の原因があります。
血管障害、非血管性頭蓋内疾患などによっておこる二次性頭痛の鑑別のため、CT/MRI検査や血液検査などを行います。また小児・思春期頭痛に多い起立性調節障害を調べるために新起立試験を行います。必要に応じて髄液検査などその他の検査も併せて行います。当院ではこれらの検査を迅速に施行することができます。
慢性頭痛の治療には頭痛の発作に対する急性期治療と、頭痛を予防するための予防療法があります。片頭痛では急性期治療は薬物療法が中心であり、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬、制吐薬に加えて、中等度から高度の頭痛ではトリプタンが推奨されています。片頭痛では片頭痛発作が月に2回以上ある方には、予防療法の実施について検討してみることが勧められています。予防薬の選択については患者さんの背景や効果などを診ながら選択していきます。群発頭痛では急性期治療としてスマトリプタン注射以外に在宅酸素療法が保険適応になり、処方が可能になっています。その他、様々な頭痛に対して急性期治療と予防療法を適切に組み合わせて治療を進めます。
患者さん、市民向けの頭痛に関する勉強会として「公開講座」を年に数回実施しています。
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