手術では麻酔器、生体情報モニタ(心電図、血圧計、酸素飽和度計など)、電気メス等を使用する他に最新の治療機器など様々な医療機器を使用し手術を行います。その多数の医療機器を安全に使用できるよう点検を実施し管理を行うと共に、医療機器トラブルが発生した際の対応を行っております。また、様々な医療機器の操作を行い手術に幅広く携わっています。
脳や脊椎・脊髄の手術では全身麻酔で患者さんは深く眠っているため、手術中に神経障害(麻痺)が出ているか否かを確認することはできず、手術後に麻酔が覚めて手足が動くのを観察する必要がありました。
近年では術中に神経の状態を観察可能な術中モニタリングシステムが開発されています。麻酔導入後、頭に装着した電極から手術中に電気刺激を行うことで得られる波形から、術中に神経障害の有無や脳の虚血を知ることができるため、手技の変更等を行うことにより神経障害が回避できるようになりました。
当院では術中モニタリングシステムを4台保有しており、脳神経外科手術や脊椎・脊髄手術の全ての症例でこのシステムを使用しています。その為、患者さんに対して安心・安全な手術が提供できるよう努めております。
当院で実施している術中神経モニタリング
ナビゲーションシステムでは画像(CT, CT angiography , MRI T1,T2,DTI)の2D画像の融合から3D画像(皮膚、骨、血管、脳、錐体路)の作成、術中の操作を臨床工学技士が行っております。
当院では、ナビゲーションシステムを4台(stealth station S7 2台、stealth station S8 2台)保有し、tractography(トラクトグラフィ)を作成する機器(Planning station S7 1台、Planning station S8 1台)を保有し緊急時も対応しております。
ナビゲーションシステムは車に取り付けるカーナビと同様なものです。 あらかじめ手術前に撮影したCT画像、MRI画像をナビゲーションシステムに取り込み画像を重ねていきます。ナビゲーションシステムでは両画像が重なって見えることによりCT画像とMRI画像が同時に見え血管の位置や腫瘍の位置などを詳細に確認することができます。
また、CT画像やMRI画像を使用し3D構築することによって皮膚、骨、脳、血管、腫瘍などを3次元的に評価することができます。3次元で画像を回転させることにより、色々な方向から評価ができる為、手術の際に切開の場所・大きさ、進む方向・深さ、神経や血管の位置まで一目で把握できます。また、手術器具とナビゲーションシステムが連動し、今現在の場所を表示する為、腫瘍等の病変を残さず切除するのにも役立ちます。これにより、より安全で患者さんに負担の少ない手術操作が可能となっています。
tractography(トラクトグラフィ)とは、MRI装置で特殊な撮影方法で撮影された画像を複数枚融合させた画像で描出する神経線維束画像です。これは脳の中の運動などを司る線維であり、これが障害されると麻痺などの合併症が出現すると言われています。この線維には運動、感覚、視野、言語などの様々な線維があり、腫瘍摘出などの際にナビゲーションシステムに表示することで線維を温存し、より安全な手術操作が可能となります。
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